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2017.09.16

plenty
ラストライブ 「拝啓。皆さま」
 
 
遂に今日が来てしまった。
もう覚悟を決めなければ、と思った。
plenty解散という現実。
 
台風が接近していて空は今にも降りだしそうにどんよりしているので、レインコートを連れて出発。
変なドキドキが止まらない。。
会場に近付くにつれ、足取りが重くため息ばかり出る。
野音の外にも、音漏れを聴きにきた方が何人もいた。
 
 
【plenty】
ポツポツと小雨が降り始める。
オンタイムで照明が落ちてSEが流れ、歓声が上がるでもなくただ3人が出て来るのを待つ。
静かにステージに現れた3人、江沼さんはしんみりしないように明るく振る舞っているように見えた。
 
拝啓。皆さま
敢えてセットリストを予想しないでいたけど、あぁそうだよなぁ…と。
ラストライブのタイトルを見た瞬間、最後にこのタイトルをつけるなんてと思ったんだ。
 
ボクのために歌う吟
"今はここから逃げる気もしなくて"
8年前、私はこのフレーズを聴いた瞬間からplentyを好きになった。
生で聴けるのも最後かと思うと、たまらなく寂しくなる。
 
「こんばんは、plentyです。今日は時間の許す限り曲を詰め込んでやります!」
普段なら嬉しい言葉なのに、切なさが入り交じって複雑だった。
 
空が笑ってる
今日が雨じゃなかったら良かったなって思いながら聴いてた。
"もう誰もいないんだな"っていう歌詞が悲しく響いた。
 
人との距離のはかりかた
 
明日から王様
一太さんのドラムがぐんぐん後ろから押してくるみたいで、やっぱりこのドラムだなって思った。
plentyを"バンド"にした音。
 
これから
砂のよう
 
「雨でごめん!」
 
先生のススメ
ひたすらかっこよかった。
 
待ち合わせの途中
最初のギターリフから、心をえぐられるようで少し辛かった。
"譲れないものがあるから 独りでも 歩くだけ"
 
ETERNAL
最初で最後のフォトブックにつけられたタイトルの曲。
どんな気持ちで歌っていたんだろう。
"まばたきの後ろには二度と戻れない"
 
よい朝を、いとしいひと
江沼さんのキレイな声がすぅっと伸びていく。
 
あいという
丁寧に音が鳴らされていく。
強くなる雨に打たれながら、美しい曲だなと思いながら聴いていた。
新田さんのベースも良かったな。
 
ドーナツの真ん中
風の吹く町
 
風をめざして
この曲を聴くとやっぱり少しずつ悲しみがこみあげてきてしまう。
曲に合わせるかのように、雨に混じって風が出てくる。
 
傾いた空
 
「…言葉がありません。…本当に、ありがとうございました。plentyでした。」
両手で顔を覆いながら、振り絞るように挨拶をする江沼さん。
 
手紙
イントロの音が鳴った瞬間に、わっと涙が出てきて止めるのに必死だった。
 
アンコールで再び3人がステージに登場する。
何度も何度もお辞儀をする江沼さん。
心なしかリラックスしているように見えた。
 
「時間の許す限り、曲をやります。」
本編と同じことを話していて意思の強さをひしひしと感じた。
 
東京
どうしても、歌詞が辛すぎる…。
 
よろこびの吟
前回の野音の記憶がよみがえってくる。
今日も、江沼さんの声が空気に溶けていくみたいに美しかった。
plentyの賛美歌。
 
この曲は一太さんが加入した年の渋谷公会堂を思い出す。
あの時は「これからも僕達のワガママに付き合ってください!」って言ってたのに、野音が終わって更新された江沼さんのインスタには「僕のわがまま」と書いてあって、胸が苦しくなった。
 
嘘さえもつけない距離で
 
「意外といい曲あるんです。」
リキッドでも言っていたその言葉を、冗談めかして言っていた。
 
さよならより、優しい言葉
お客さんの手があがる。
ステージと客席の間で、色んな想いが交錯しているようだった。
 
本当に一太さんのドラムの、新田さん、江沼さんの熱を引き上げていく感覚が凄く好きだ。
実際、一太さんが入ってからのplentyは変わったと思う。
 
最近どうなの?
感情を吐き出すように何度も叫ぶ江沼さん。
雨は強いままなのに、江沼さんが間奏で前に出てきて水たまりに足を踊らせながらギターをかき鳴らす。
それにこたえるように歌うお客さん…最高でしかなかった。
 
アンコールはメンバーもお客さんも、普段のライブみたく楽しんでいるように見えた。
 
「意外とステージに立ってると色々思い出すもんですね。走馬灯のように。…今まで野音でワンマンは3回やったことがあって。1回目は寒くて、2回目は超寒くて、3回目は雨で(笑)最後まで天候に恵まれず…でも、記憶に残ると思います。…今日、来てくれた人、外で聴いてくれている人、今日来れなかった人・・・本当に、感謝してます。お世話になりました。」 
 
「次で最後の曲です。本当に、ありがとうございました。・・・・・さようなら!」
本当の最後は、さようならって言うんだなって苦しかった。
 
ラストは蒼き日々。
やっぱり、そうだよね。
すっかりplentyの代名詞になった曲。
本当に、これで最後なんだなぁ…。
今まで見た中で一番エモーショナルでかっこ良かった。
最後のらららが、終わりたくないみたいで切なかった。
 
メンバーが去った後も、誰も動かず拍手がやまなかった。
暫くして終演のアナウンスが流れる。
 
『以上を持ちまして、本日の公演は終了となります。8年間、plentyを見守っていただきありがとうございました。誠に勝手ながらも、彼らの残した音楽をこれからも愛してあげてください。そしてこれからの3人の活動に力を貸していただければと思います。本日はご来場いただき、ありがとうございました。どうぞお忘れ物などお気をつけてお帰りください。』
 
こんな感じだったけど、愛しかなくてもう…。
 
 
一太さんのドラムは本当にかっこ良くて、今日は一段とエモかった。
新田さんは中盤くらいまでずっと俯いたままベースを弾いていて、あまりに俯いたままだから少し心配になった。
江沼さんを見つめる瞬間が多くて胸がいっぱいだった。
江沼さんは終始、感情が抑えきれない様子で。
 
なんていいライブをするんだろう。
なんていい曲なんだろう。
本当に、解散しちゃうのか。
ぐるぐる考えては、いつの間にかそれも忘れてライブに没頭して、またぐるぐる考えてを繰り返してた。
歌詞がどうしても解散という状況と重なってしまい辛かった。。
 
帰宅してからフォトブックを開いて、ボロ泣き。
3人のソロインタビュー、お互いがお互いを想い合っていてplentyというバンドを大切にしていて。
特に新田さんのインタビュー、、涙が止まらなかった。
こんな解散の形ってあるのかと思った。
 
plentyのライブがもう見れないのは本当に悲しいけど、彼らの決めたことだから受け入れるしかない。
 
1つだけ私のわがままな気持ちを言えば、大好きなプレイヤーも野音で聴きたかったな…。
でもあれだけMCも削って曲を詰め込んでくれたのに、まだあれもこれも聴きたいって思うのは、いい曲しかないから。
 
plentyの音楽に出会えて良かった。
本当に、ありがとうございました。